【海外】日本のクマより被害甚大:駆除できない…年4000頭の羊が食い殺されるドイツの「オオカミ襲撃」の深刻

■子供や女性を襲う狼を絶滅させたはずが…

日本ではヒグマツキノワグマの駆除をめぐって、役所へ「可哀想だからやめて」という抗議の電話が鳴り止まないそうだが、ドイツでもやはり獣による被害が増えている。しかも、こちらは動物愛護を掲げる政権下で駆除が事実上不可能なため、被害は拡大する一方だ。

グーグルに「Wolf(=狼)」と入力して検索してみたら、狼に家畜が襲われたニュースばかりで、しかも、最初の6ページは、数時間から1週間前ぐらいの新着記事がほとんどだった。ドイツで狼の被害が増えていることは承知していたが、この頻度にはかなり驚く。

ヨーロッパでは中世以来、狼が人間にとって、身近で最大の脅威である時代が長く続いた。特にドイツは、ヨーロッパオオカミの主要繁殖地に含まれたため被害が甚大だった。そういえば有名なグリム童話でも、「赤ずきんちゃん」や「狼と7匹の子やぎ」など、子供や動物が狼に食べられてしまう話がある。

狼は犬と同じく非常に頭が良く、簡単に仕留められるとわかった獲物を狙うため、当時、動物以外で頻繁に被害に遭ったのは子供と女性だったという。そこで、17世紀の初めごろから施政者は狼の駆除に甚大な力を注ぎ、長い戦いの末、ドイツはようやく19世紀の半ば、狼の絶滅を宣言した。

■100年後に現れ、続々と増え続けている

ところが、1996年、旧東ドイツのラウジッツ地方で野生の狼が観察された。せっかく絶滅したはずの狼が帰ってきたのだ。しかも、それ以後、狼はどんどん増え続け、最近では冒頭に記したように、家畜が続々と犠牲になっている。なぜ、狼が増えたかというと、連邦自然保護法により手厚く保護されているからだ。

ドイツ環境省には、DBBW(狼のための連邦文書、および諮問機関・Dokumentations-Stelle und Beratungs-Stelle des Bundes zum Thema Wolf)という下部組織がある。DBBWは狼の生態調査に特化した機関で、個体数、生息場所、被害などについて正確な資料を持っている。ちなみに狼の統計年度は、5月から翌年の4月。

図表1は自然保護庁が各州の2022/23年の調査結果をまとめたもので、1マスが10km四方で、緑のところは狼が観察された場所。さらに黒い菱形の印の付いているのが、繁殖が確認された場所だ。狼は一頭で動き回っている場合は、行動範囲は広いものの増えることはないが、子供の狼や、乳腺の発達した雌狼が見つかると、すでに群れとして定着している証拠で、以後、その地域で頭数がどんどん増えることになる。

■ベルリン周辺が最大の繁殖地に

なお、この図によれば、ベルリン市(BE)を囲むかなり大きな州であるブランデンブルク州(BB)が、ドイツでの狼の最大の生息地、および繁殖地となっていることがわかる。多くは、お隣のポーランドから移動してきたと思われる。

では、肝心の頭数はというと、ブランデンブルク州の狩猟協会によれば、700~1000頭。このところ毎年30%の割合で増えているため、正確な数が掴みにくいという。

それに比してかなり正確にわかっているのは群れの数で、52組。群れの定義とは、少なくとも8頭の成獣からなり、そこに2組のペアと、前年、および前々年に生まれた若い狼が含まれていること。そして、群れを成さずにペアで行動している狼が10組。さらに、それに加えて、この統計年に生まれた子供の狼が約190頭いるとみられる。

こんな状態だから、ドイツ全体で何頭の狼がいるのかも正確には割り出せないのだが、DBBWの推計によれば1339頭。なお、下記のグラフは、群れ(赤)とペア(茶色)の数の、2000年から2022年までの変化を表したもの。どちらも2007年ごろを境に、急激に増えている。

■1回の襲撃で40頭の羊が殺されたことも

一方、狼による被害状況のほうは、DBBWが正確につかんでおり、それが図表3のグラフだ。黒が襲撃の数で、赤が犠牲になった動物の数。このグラフ2020年までだが、DBBWによると、2022年は4366頭で、前年比29%増だった。

狼の害は畜産農家にとっては脅威だ。ドイツには狼の天敵は存在しないため、何もしなければ増え続けるのは自然の理で、犠牲の9割が羊と山羊だ。その他、アルパカ、子牛、子馬、時には馬や牛の成獣までやられるというから、狼の威力はバカにできない。

狼の中には特別頭の良い個体がいて、それがリーダー格になって群れを引き連れ、陽動作戦なども使って次々と家畜を襲う。森の中で鹿やウサギを追うよりも効率はすこぶる良い。一回の襲撃で40頭の羊が殺されたこともあったという。しかも、狼は動くものがなくなるまで狩り続けるというから、事後の景色は凄惨(せいさん)な図になり、当然、農家のショックは大きい。

■環境省は狼の増加を「好ましい展開」

危機感を募らせた畜産組合では、狼の駆除を申請するが、それがなかなか認められない。保護柵の増強など、射殺の前にするべきことがあるはずだというのが環境省の考えだ。なお、防護を完全にしても被害が出た場合には、羊なら被害1頭当たり約300ユーロ(州によって差がある)の補償金が出るという。

そこで農家では、広大な牧草地に何キロにもわたる柵を作り、通電し、さらに赤外線望遠鏡を購入したり、センサーを仕込んだりするが、今度は、それらを常時完璧に保つことにエネルギーを要する。なお、そこまでしても、なぜか狼はどこかから必ず忍び込んできて、家畜を殺す。ちなみに家畜がやられても、防護に不備が見つかると、補償金が差し引かれたり、もらえなかったりするという。

一方、環境省のホームページを見ると、こう書いてある。

「21世紀初頭より、狼の数がすごい勢いで増している。これは、世界、およびドイツで、生物の多様性が危機に晒(さら)されていることを思えば、好ましい展開であり、厳格な狼の保護政策が効果を上げている証拠だ」「狼の数の増加、および、狼の生息地の広がりというポジティブな傾向は、今後も続く」

要するに、狼の増殖は環境省にとっては好ましいことらしい。環境省を仕切っているのは緑の党だ。

■さらに解決策は「ヴィーガンになればいい」

今年の6月、その緑の党のレムケ環境相が、狼問題についての多数の苦情を受け、協議の会を設けた。ところが、そこに招かれたのは、畜産農家の他は自然保護団体ばかりで、それも、過激な動物保護団体Peta(動物の倫理的扱いを求める人々の会)までがいた。一方、森の実態について一番よく知っているはずの狩猟連合会は除外。鉄砲を振り回すような人たちはお呼びではなかったのだ。

レムケ環境相は狼の駆除には絶対反対で、自然保護団体ももちろん反対。狼との共存こそが自然のあるべき姿と信じており、射殺などあり得ない。それどころかPetaの提案する解決法は、「ヴィーガンの食生活」だった。

ヴィーガンというのは、動物に関するものは、肉も魚も卵も牛乳もチーズもすべてNGで、革靴もウールのセーターも着ない。つまりPetaによれば、問題は狼でも羊でもなく、私たちが肉やチーズを食べることなのだ。こういう思想の持ち主と、ドイツの環境相は心を分かち合っている。

■環境相が出した駆除の“トンデモ条件”とは

11月28日ニーダーザクセン州(図表1の地図の表記ではNI)のククスハーフェンで、2018年よりボランティアで、狼の生態を調査し、畜産農家のアドバイスをしていたクリスティアン・カットという人が、政府の環境保護政策に抗議して、職を退いた。ククスハーフェンでも、約10年前から狼が出没するようになっており、最近、家畜の被害が急激に増えていた。

氏が辞職に際して認めた文書には、政府に対する不満が満載だ。「美しい田園風景の中で働く人々と、その家畜を支えるために、政府は態度を明確にする必要があった」。しかし、「私がこの課題に取り組んでいた5年半の間、政府は何一つ持続的なことはしなかった」。

もっとも、氏の辞職の直接のきっかけは、10月になってレムケ環境相が持ち出した「狼の殺処分」だったようだ。というのもレムケ氏は、6月の協議の評判が悪かったためか、狼の射殺を例外的に認めるための条件を提示した。ところが、これでカット氏は、ついにぶちぎれたらしい。

どんな条件だったかというと、狼が羊を殺したことがわかれば、その後、21日の間に、その狼を射殺することが許される。その場合、これまでのように、その狼が本当に羊を殺した犯人であるというDNAの証明は不要になる。ただし、射殺場所は、狼が羊を殺した現場から1000m以内に限られる。

■猟師は放牧地を一晩中見張らなければならない?

カット氏は書く。「どの猟師が“犯行現場”である広大な放牧地を見張り続けるというのだ。しかも、狼が戻ってくるのは必ず夜で、猟師は月の光が必要となる。その他のところを探すとしたら、今度は1000mというのが足枷だ」。要するに実行不能であり、「これで住民を宥(なだ)められると思っているのか」と激しく非難している。

カット氏によれば、近い将来、狼の駆除は避けられないことは周知の事実だ。だからこそ、急激な増殖を防ぐため、他の野生動物の駆除と同じく、幼獣を殺さなければならない。そして、その上で、狼の行動に変化が現れるか、現在のような無遠慮な行動にブレーキがかかるかなどを観察しながら、最終的に受容可能な頭数を定め、計画的に駆除しなければならない。

とにかく、それを一刻も早く始めることが重要で、「それ以外はすべて無意味で、実行する意味がない」とカット氏。実は、森を散策していたら狼が異常に接近してきたとか、森で乗馬をしていたら、ずっと付いてきたというような怖い話も、すでにある。

ただ、環境省の見解は天と地ほどかけ離れている。再びホームページからの引用。

「現在、狼はドイツの一部で再び見られるようになったとはいえ、絶滅危惧種であることに変わりはない。目標は、狼の良好な保護状態を達成することである」

■次は人間の子供が殺されるのではないか

環境省によれば、若い狼は時に好奇心旺盛な行動をとることもあるが、通常、健康な狼は人間に警戒心を示し、攻撃的になることはない。しかも、もし、狼が人間に対して目立つ行動をとったり、十分に保護された家畜を何度も捕食したりした場合には、現在の法律は、その個体の排除を許しているので、問題はないとのこと。しかし、それが難しいから、今、皆が困っているのだ。

また環境省は、ヨーロッパ全体で狼の駆除が禁じられていると強調しているが、オーストリアスイスも、放牧の家畜を守るため、一定の駆除を許可している。だから狼は国境を越えて、パラダイスドイツ”にやって来るのではないか。

しかし、カット氏は言う。「このままでは狼は増え続け、羊飼いは去っていく。去った羊飼いは、二度と戻ってこない。しかし、狼はどんな環境にも適応するから、食べる家畜がなくなれば、他のものを探すだろう」。カット氏は、赤ずきんちゃんが出ることを警告しているのだ。

すでに首都ベルリンの森でも狼は観察されている。緑の党は、森を切り開いて風車を立てるわ、長閑な放牧地を引き裂かれた羊の死骸でいっぱいにするわで、とても自然を守っているようには見えない。特に、森の散策が大好きな国民のことを、全然考えていないように思えてならない。

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川口 マーン 惠美(かわぐち・マーン・えみ)
作家
日本大学芸術学部音楽学科卒業。1985年ドイツシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。ライプツィヒ在住。1990年、『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)を上梓、その鋭い批判精神が高く評価される。2013年住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』、2014年住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』(ともに講談社+α新書)がベストセラーに。『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)が、2016年、第36回エネルギーフォーラム賞の普及啓発賞、2018年、『復興の日本人論』(グッドブックス)が同賞特別賞を受賞。その他、『そして、ドイツは理想を見失った』(角川新書)、『移民・難民』(グッドブックス)、『世界「新」経済戦争 なぜ自動車の覇権争いを知れば未来がわかるのか』(KADOKAWA)、『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)など著書多数。新著に『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』 (ワック)、『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか』(ビジネス社)がある。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Flavio Treppner
(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 www.alive-net.net)


コメント:「オオカミの襲撃が年4000頭もの羊に被害をもたらす事実は本当に深刻です。駆除方法を考えるだけでなく、より効果的な防護策を講じることが必要です。」

コメント:「この問題はオオカミの生態と農業の調和を求める難しい課題です。一方で、人間と野生動物が共存できる解決策を模索することも大切です。」

コメント:「被害問題も重要ですが、オオカミは生態系の一部であり、保護される必要もあります。バランスの取れたオオカミ管理の重要性を考えなければなりません。」

<このニュースへのネットの反応>







羊を襲う狼(意味深)


山に住み着いた不法入国者ってことだろ?日本でも知っててあきらめろって言われてる始末(市や国も警察も)、なぜってそいつら(不法入国者)が山から下りてこないように


ドイツは相当イカれてるな。実際に被害増えてるのに、オオカミの増加を好ましいとかヴィーガンになれとか。酪農家はもっとキレていい


>次は人間の子供が*れるのではないか   最後のトピックのこれはヴィーガンになっても防げないよな。環境省アホかと。お花畑は脳ミソに作るもんじゃないぞ。


突然ヴィーガンとか、まーんさんのとんでも記事で草。で、日本のクマより被害甚大ってさ、おたくらは町の中で何人が襲われたんですかね?


日本(日本雑魚とか言ってた割には何度も逃亡してる)、米国(強すぎて手が出せてない)、ドイツ(半分取られ人質&偽ドイツ)が叩かれる理由はキリスト狂に完全制圧(宗教や薬物)押しのけてる国だから


脳に“ヴィーガニズム”を植え付けられとるやん


移民と食わせ合いさせればいい


山狼だとスイスからくだってるんだろw偽札ばらまいてたスイスが仕掛けてるとみるべきだ


何匹か捕まえてきて、日本でシカの食害に悩まされてる地域に放とうぜ!(マングースメソッド) あるいはクマと戦わせるか。……戦うのかなあいつら


狼の絶滅なんかしたら草食動物の増えすぎ等別の問題が起きてそうなものだが…?ヴィーガンと駆除禁止はお花畑だが生態系が段々元に戻ってきただけじゃ?酪農が強いドイツだと歓迎できないんだろうが


オオカミは行動範囲広いから、そこで繁殖して地方に行かれると生態系ズタズタになるんじゃね。子供も狙われるだろうな


いちばん増えすぎたことで生態系を破壊してるのは人間なだけどな


絶滅したニホンオオカミは田畑を荒らす猪を狩り農家に「大神様」と感謝されたが、獲物が減少すると人間が狙われて益獣から一転害獣と認定。集団戦法も有り熊を狩れる彼等がいなく成って今や熊を狩れるのは食料不足と人間だけ。ドイツの実状を考慮すると駆除してしまったのは的確だったのかな。


ヴィーガンを餌にすればいい






日本も熊だけじゃなく、猪と鹿も問題でな。鹿は新芽や木の皮を食い散らかして森を荒らすし、猪は農作物狙うし。保護もほどほどにしないと他が荒れる。


環境に手を加えるといろいろ別なところに影響が出ることも多いので慎重であるべきだが、手を加えること自体を忌避する必要はないと思う。だいたい環境保護とかいうけど、ずっと変化し続けてきた地球環境のどの時代の環境を正しいものとして守るつもりなんだろうね。10年前か?一万年前か?1億年前か?その時代を選んだ根拠は?なんも考えてないでしょ。


死刑反対派の弁護士じゃないですが、頭お花畑の方々で、自分のお子さん狼に喰われてもなお増やした方が望ましいって言えるんだろうか。


この民族が狂信的なことは歴史が証明している。現在狂信の対象になっているのは野生動物とイスラエル。


狼が集団で襲ってきたら子供どころか大人でも普通に*れるんじゃね? 少なくとも俺は野生化した中型犬1頭でも勝てる気がしない、小型犬ならワンチャン勝てそうな気がしないでもないけど。


こう言うヴィーガンみたいな関わっちゃダメな奴ら。注意すると逆ギレ通報してくるんだよなぁ


なにこれイルカみたいなもん?最近だと熊とかそういうの?あたま痛くなるわ


ニホンオオカミを絶滅させてしまった我が国は、21世紀になって「山野の生態系」維持するのに人手が完全に足りなくなってしまったとさ…(棒 あれも、絶滅させた理由は欧州のオオカミ対策の理屈と同じなんだよね、将来に禍根残すなんて気付く訳も無く


内側から外に出られない広場を作ってその中に山羊を数匹入れて監視カメラをセットすればいい。証拠があれば射*ていいんだろ?


人の死より羊の死を悼むのか(狂ってやがるぜ


環境活動家が目指してんのコレだからな。マジで相手にする価値無いよ。


畜産被害に目を瞑るか農業被害に目を瞑るかなんだよなぁ。この記事みたいに一方だけを見て危機感を煽るのはとても危険なことだと思う。


シャルル・ペローやグリム兄弟が残してきた教訓がバカのせいで消えていく


内容は文頭の割に否定的だぞ。それはともかくこう言う他人事じゃない記事見ると猛獣の生息域はそれこそコンクリの壁で囲わないとダメかも知れなって思うわ。


狼が居ない事を前提にした牧畜形式だったんだから狼が来たら対処できないのは当たり前なので適応する形式を模索するしかない、狼を絶滅させてはいけないのなら。でこれ誰が狼を*ても角が立つ。だからこれにロボットを使おうってなったら面白い、24時間監視して狙撃してくれる。


アメリカも似たようなもん。グリズリーの狩猟禁止措置がアラスカ以外では解除されてなかったと思う。


元々ドイツ頭おかしい信用出来んと思ってたけどマジで頭おかしかった


だって、緑の党だもの。


環境保護を謳う者は自然を大切にって言うが、その自然に人間の営みは含まないんだよな。 


うん>日本のクマより被害甚大 うん?死人出てないなら日本の方が被害甚大じゃね?>次は人間の子供が*れる


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